最近では、AI技術を活用したサービスが続々と登場しています。その中でも、日本語で使えるおすすめサービスやツールについて紹介します。
一部登録画面が英語のサービスもありますが、利用は基本的に日本語ですので英語が苦手でも大丈夫です。
ChatGPT:高性能 文章生成チャットボット

OpenAIがMicrosoftと協業して2022年11月に公開した人工知能チャットボットで、人が書いたものと見分けがつかない自然な文章を生成するため、わずか2ヶ月で1億人のユーザーに達しました。
直近のAIブームの火付け役といえば画像生成のMidjourny、続けて文章生成のChatGPTでしょう。文章に関することならアイデア次第で無限の用途があります。
- (人工知能)について(2000)字程度で(目次を付けて)記事を書いて
- 語尾は(ニャ)で(猫)になりきって話し相手になって
- 以下の文章を要約して
- (以下で説明した)キャラクターたちの物語を(以下のプロットで)書いて
- (以下)の動作をする(C++)言語のプログラムを書いて
サイトは英語ですが、登録後はシンプルな入力バーに日本語で話しかければ日本語で使えるので心配は要りません。

基本は無料ですが、高性能なGPT4版や優先応答サービスを使いたいしたい場合は月額20$のChatGPT Plusがあります。
更に高度な使い方をする場合は外部プログラムをつなげられるAPIを従量課金で利用します。
正確な回答が必要な、調べ物などの用途ではAIが嘘をつくハルシネーションという現象に注意が必要です。以下はChatGPTの仕組みに始まりハルシネーションについて解説する記事です。参考にしてみて下さい。
登録は以下URLの「Try ChatGPT」からです。

Bing:GPT4+検索エンジン

BingはChatGPTのコアになっているGPTが組み込まれたMicrosoftの検索エンジンです。ChatGPTと異なる点は
- 高性能なGPT4版が無料で利用できる
- 回答にURLを付けてくれるのでハルシネーション対策になる
- 2021年9月以降の事も検索して回答してくれる
- 一連の会話に回数制限がある
- 1日の利用回数に制限がある
などの違いがあります。ChatGPTの最大の弱点であるハルシネーションと情報が古い点が、検索エンジンと組み合わさって大幅に改善されています。
制限について質問してみました。

引用もしっかり付いていますね。
今のところ利用できるのはMicrosoft Edgeブラウザのみになっています。Edgeブラウザはシェアが数%と低かったのですが、特に日本人がたくさん試していて、今後伸びそうですね。

Microsoft 365 Copilot:Word、Excel等とAIが連携

こちらは今のところ2023年3月16日にアナウンスされたのみで利用できませんが、重要なサービスになりますので載せておきます。
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams 、Visual Studio(GitHub Copilot X)などにAIが組み込まれます。

今のところChatGPTはWEB版では会話内容が学習へ利用される可能性があり、API版で学習への利用を禁止しても個人情報や機密情報へのリスクがありますので、企業内ではブロックしたり使用禁止のアナウンスをしたりしているのではないでしょうか。
企業では機密保持契約やOffice環境の包括契約の関係上ChatGPTや他のサービスを業務利用し辛いので、MicrosoftがAIを実装するのが本格的な効率化革命の始まりになるでしょう。

価格やライセンスは数カ月以内の発表となる模様です。
Microsoftはかつて何度もWEBやAIなどの連携サービスを追加して役に立たず、迷惑がられていましたので今度は革命的な利便性で登場することを願うばかりです。
折角なのでイルカのカイル君のインターネットミーム「お前を消す方法」についてBingさんに聞いてみましょう。


bing君容赦ない。bアイコンもですか…そもそもGPT組み込みまではEdgeブラウザ自体の勧誘が邪魔で同じような状況でしたが、変わるかもしれません。
DeepL翻訳:超高精度な翻訳サービス

DeepL翻訳はAIブーム以前の2017年から提供されていて当初から訳文の自然さが話題でした。
ChatGPTのコア、Transformerも一部採用されていますが、翻訳に最適化したトレーニングで他の翻訳サービスより圧倒的に高性能と言われています。
現在でもChatGPTに直接翻訳を依頼するより高精度ですので、プロンプトの入力や結果の翻訳のために併用されている方が多いでしょう。
特徴は以下です。
- PDF、Word、PowerPointなどのファイル翻訳
- 使用率の高い日英中韓FIGS(仏伊独西)など31言語以上の対応
- 類語の置き換え、主語の変更など翻訳後の微調節が可能
翻訳クオリティのお試しは以下のWEBから。

以下の追加機能がありますので、度々使うようでしたらソフトウェア版の利用を強くおすすめします。
- コピーのショートカットキー二度押しで選択箇所を翻訳、そのまま置換(PC)
- スクリーンショットから画像翻訳(PC)
- カメラから翻訳、音声翻訳(Mobile)
- 画像翻訳・音声読み上げ(Mobile)
翻訳精度、翻訳結果の調整が出来ること、ショートカットキー翻訳がどれも欲しいので今のところ他に候補はないでしょう。
Win/Mac
Android/iOS

chrome拡張
DeepL無料版の制限は以下です。無料だとファイル翻訳はお試しの範疇ですが、レイアウトが崩れる前提のGoogle ファイル翻訳などより便利です。
- 最大5,000文字の翻訳
- 1か月に3ファイルまで翻訳(編集不可)
- 最大10個の用語ペア
ChatPDF:PDF の読解をAIがサポート

アップロードしたPDFの内容についてAIが応答してくれます。
直近のAIブームの発端とも言える論文「Attention Is All You Need」について質問してみました。
簡単な指示でしたが日本語訳の精度が良く、文章も適切な長さで説明されていると思います。

無料版の制限は以下の通りです。

- PDF 一つ120ページまで
- 10MB以下
- 3回/日
- 質問50回
ほぼ無制限になる有料版も5$/月とかなり良心的だと思います。
SCISPACE:AIサポート付き論文検索ツール

論文検索サービスとしてはGoogle Scholarや、分野ごとのサービスの方が良いですが、論文内容についてAIが質問に答えてくれます。
検索結果に出ればそのまま質疑できますが、無いものもPDFがあればアップロードして利用可能です。
回答に日本語も指定でき、様々な指示ができます。
- 論文の手法・結果・結論・提案 etc.をまとめて
- 要約して
- 文中の特定単語を説明して
操作や質問に英語を使う方が良い場面もありますが、ブラウザの翻訳機能やDeepL翻訳も利用できるので論文の把握が捗ります。
ChatPDFと同じ論文について質問してみました。簡単な指示での翻訳の精度や説明の分量はChatPDFの方が良いと思います。


執筆は有料になりますが、AIとのチャットや検索をする分には制限なく無料ですので調査はかなり捗るのではないでしょうか。
Notion AI:多機能ノートサービス+AI

Notionという人気の多機能ノートサービスに文書生成AIが加わりました。
まずNotion自体で出来ることですが、ノート機能の他にオフィスで必要になる機能が備わっています。
- タスク管理
- スケジュール管理
- 作成した文書の社内wiki化、URL公開
- Youtube動画などの埋込
- API連携(例えば外部ブログへの投稿等の機能追加)
メモとして書いておく→そのメモの体裁を人に見せる程度へ整える→共有するなど各段階の障害が低く抑えられていて書くことに集中できるのが良い点と言えます。太字などの各種スタイル変更も呼び出しやすくなっています。

目的ごとに別ソフトを使用する作業環境に満足されている方は不要であったかもしれませんが、AIによる文書生成が加わったことで魅力的になりました。
例えばAIにタイトルと紹介するツール(ChatGPT、Bing)を指示するとすると以下のような文章を生成してくれました。

続きを生成することはもちろん長く・短く変える、翻訳、要約など文書関連で使う指示が、ChatGPTのようにプロンプトを打ち込んだりしなくても簡単に使えます。

AIの利用は執筆時点で20回のトライアル以降サブスクリプションが必要です。
ですが無料プランでもノート数は無制限なのでメモやタスク、スケジュール管理は制限なく使えます。Microsoft Officeなどのビジネス用環境を持って居ない方には文書作成・メモ管理サービスとしてかなりおすすめします。

Catchy:バズる?用途別文章生成

以下のように仕事で日本語の魅力的なキャッチコピーやSEOに良い文章など、注目を集めるために良い文章を考慮する必要がある方向けです。
- Youtuber
- ブロガー
- 広告業
- 事業主
- 創作業
用途ごとに次のような最適化された文章を提案してくれます。
- 注目を集めるコピー(バズりたい等)
- 記事アイデア
- 社名、サービス名
- 自己紹介
- 物語などのベース
とてつもない種類のテンプレートがあり、各分野用のノウハウを詰めた文章を生成してくれます。



フリー版では10回までのお試し利用です。
種類は限られますが、登録していれば回数制限のないフリーツールも公開されているので試してみると良いと思います。

まとめ:一番おすすめのサービスは?
まずは無料のChatGPTで時代の変化を感じて見るのが良いのではないでしょうか。文章としての良さは平凡でも日本語で自然な文章を生成してくれます。
文章生成技術に可能性を感じたら、用途ごとにChatGPTよりも最適化されている他のサービスをトライアルなどから始めると良いと思います。
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